Workレポ〜店主の言いたい放題〜

作業レポートをお届けします
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R-Zeroを振り返って 〜 Batteryへ繋ぐ思い
皆さんめっきり寒くなりましたね。
さあ今週末は大阪ATCホールで開催のサウンドメッセがいよいよ始まります。

アンフィニカスタムワークスも今年は出展しますので、ご来場の際は
是非ブースの方へお立ち寄り下さい。

アンフィニのブースは向かいにヤマハ、右はギブソンと、強大なメーカーに
挟まれてこぢんまりとブースを構えますのでどうか通り過ぎないようお願い
申し上げます!

アンフィニは弱小工房なので一年おき程度しか出展が出来ません。
前回は2年前、でした。

そのサウンドメッセでアンフィニのプリアンプR-Zeroを発表いたしました。
それから約二年の間に、少しづつ少しづつR-Zeroのユーザーが増えて
そのサウンドを聴いていただける機会が増えてきました。

特に若手のアーティストさんが求めるオリジナリティーを優先したとき
R-Zeroはその特性が発揮出来ると思っています。

リリース直後は、その特性を表現したくて一所懸命にアピールをしていました。
しかし、その反面個性があることは悪いことでは無いと言うコメント
等も頂戴しました。

でも他と違うことをしたかったのですから、他との違い、他では得られない味付けの無さを
強調したいんですね。
そしてこの2年でその考えは間違っていなかったという自信が持てました。
価格はまあ好き勝手やって納得がいくまで試作を作り双頭に開発費をかけてしまいましたので
高くなってしまいましたが、それはそれだけの苦労をしたという現れだと考えて頂くと
嬉しいですね。
でもそのお客様が言っているように、味付けがあるからこそ良いと言うものもあります。
例えば店主はオベーションというギターがとても好きなのですが、ハッキリと言って良い
サウンドだとは思えません。
これはオーディオ的にと言う事ではありますが、決して特性的にも優れているとは
思えないんですね。
でも強烈なキャラクターと共に個性的なサウンドはその時代を象徴するサウンドでも有り
ぱっと訊いた瞬間オベーションであることを認識させてくれます。
だからオベーションはエレアコとひとくくりに出来ない、やっぱりオベーション
なんです。
他のエレアコでもそうですね、訊いた瞬間わかる音、それはもうその製品の個性
でもあります。
しかしそんな土俵で戦うのにはためらいもありました。
そういった素晴らしい製品は沢山あります。
そしてそれを望むならば選択肢が沢山存在しているのだと・・・・・・
だから敢えて今までに無かった製品を作ってみたい、これはメーカー時代から
考えていたこと。
開発当初は国内外のプリアンプを手当たり次第試奏、チェック、特性取りをしました。
良いと言われるサウンドの秘密を探って見たんですがこれがもうバラバラ、ハッキリ言って
統一感は皆無なんです。
でも面白いのはピックアップとプリアンプのメーカーを揃えていくと、結構似たような
波形に繋がっていくことが見えてきました。
ピエゾという素子は苦手領域も多く、その使いこなしの上でどうしても固有の特性が
出やすいと言うこと、そのキャラクターをキャラクターを持って制御しようという
形の製品が多いと言う事。
しかしそういった特性はギターそのものの特性を無視して聴きやすく扱いやすいという
最大のアドバンテージを持って受け止められてきました。
でも多くの場合はギターを選ぶのにピックアップ主体で選ぶと言う事はあまりないですね。
ギターの生の音を聴いて選ぶことが大半ではないかと考えました。
そしてピックアップは可能な限り癖を持たない方がギターの個性を生かすことが出来ると
言う事。
これが難しい、ピックアップを製作し始めてから約10年、いろいろな壁にぶつかりながら
少しづつ進化してきました。

ちょっと横道にそれますが、アンフィニでは基本的にパッシブタイプのピックアップを
中心にしてきました。
ピックアップはギター内部にアンプを搭載したアクティブタイプ、アンプを搭載しない
パッシブタイプがあります。
理論的にはピックアップという集音装置から極めて近い所にプリアンプを置いた方が
音像も近く、ノイズにも強いと言う事が明確に言えますので大きなメリットがあります。
もうアクティブ以外は駄目というメーカーもいらっしゃいますね。
でもアンフィニはパッシブに拘ります。

その理由は汎用性、アップグレードの容易さ、いつまでも個性に縛られないと言う事
そして何よりもリーズナブルであること。
というより、アクティブでは名前の通った優秀な製品があったので
同じ土俵に乗りたくないというのが本音かもしれませんね。
またアクティブで専用プリアンプとピックアップの組み合わせは確かに完成形で有り、
素晴らしいと言う事は言えますね。
でも何か縛りがあると感じてしまうこともありました。
パッシブタイプでフォンジャックと言う一般的な形態であればどんなところでも
最低限ギターアンプとギターシールドがあれば取りあえず音を出して演奏することが
出来ると言う事。
もちろん100%の演奏では無いかもしれませんが、演奏出来るチャンスを逃がさない
と言う事はとても重要であると考えました。
そしてアップグレードの容易さ、予算の都合などで高価なプリアンプなどが買えない場合でも
後にギター側の改造などをしなくても外部接続出来るプリアンプを気軽に交換出来る
と言う事。
現在の音楽のスタイルを考えるとすさまじい変化のスピードがあります。
ソロギターだけでは無く、バンドも、デュオもセッションも、欲張りなスタイルに
なってきているかと思います。
そこで選ぶ自由度をと考えるわけですが・・・・

しかしこの考えは時には批判や否定を呼んでしまうこともあります。
自分が作り出したものは、良いとハッキリ言いますが、他のものを否定していると
言うことでは無いんですね。
でも出来たばかりの時は余りのうれしさに良いところばかりを誇張してしまったことが
否定的な要素を生んでしまったのかもしれません。
とはいえメーカーでもありますので宣伝はしていきますよ〜
ちょっと書いていることが支離滅裂になりつつあります・・・

と言う事で前置きがとっても長くなってしまいました。

R-Zeroが発売されてから約2年、今回はそのコンセプトを受け継ぐ製品が2つ
Fidelity D.I.とBattery この2つの製品はR-Zeroの母体からD.I.の機能と
ヘッドアンプの機能を独立させた製品という位置づけですが、単純にそのまま抜き出して
単体かしたと言うことではありません。
ニーズに合わせてアレンジ・改良を加えた製品でもあります。

今回はそのうちBatteryに焦点を当てたいと思います。
実はこのBattery、R-Zeroの開発の当初から構想がありました。
と言うよりこのヘッドアンプから開発がスタートしました。
プリアンプの性能はまずヘッドアンプ、この部分の性能がほぼ全てを支配します。
如何にこの部分の性能を高めることが出来るか、今まであったプリアンプやヘッドアンプの
性能を限りなく比較し、特性やピックアップとの組み合わせをマトリクス化して
チェックを繰り返しました。
その中で気になる部分をそぎ落とし必要なパーツは惜しみなく、いらないものは
ばっさりと切り捨てる、それをコンセプトに、試作機を製作していきました。

始めはシンプルにこんな形で




基板は見えませんが、シングルチャンネルで最低限の機能をテスト用に製作
サウンドチェックを繰り返しました。

何人かのアーティストさんにもこの状態でのサウンドチェックをしていただき
意見を頂きながら調整をしていきました。

そしてその結果をまとめて出来たものがこれ



この時は入力インピーダンスの最適化を取り入れ各ピックアップのインピーダンスの整合が
取れるように調整をしていきました。

この時点でバッファー部分のダイナミックレンジが最大限取れるようにすることで
突発的な入力(ボディタッピングなど)の入力にも対応出来るように設定。

電源も18V駆動でテストを繰り返していきました。

R-Zeroで搭載された機能の多くがここで確認されました。
特にインピーダンスマッチングはピックアップの特性を変化させる要因でも
あることから最適なインピーダンスは何か?
かなりのテストを繰り返しました。


よくピエゾはインピーダンスが高いので5MΩや10MΩ無いと駄目!
なんて言うことが言われます。

まあ高い方が対応範囲が広くなると言う事はありますが、単純に言う事が出来ません。
高すぎるインピーダンスは音色も変化してしまうことが気になりました。
では適正とは?
これが難しいんですね。

これらのヘッドアンプは当初から音を変化させる要因であるFETを使わない
ここは一番最初に決めたこと。
FETを用いる事で超ハイインピーダンスへ対応出来ること、容易にローインピーダンスに
変換出来てしまうので、使いたくなってしまいます。

と言うのも多くのオペアンプは高いインピーダンスが苦手です。
その為オペアンプの対応出来るインピーダンスまで落としてあげる必要があるんですね。
その為に使われるのがFET、魔法の変換器です。
アンフィニではこのFETが持つキャラクターがどうしてもなじめずに使いたくなかったことから
最初に使わないと決めて、オペアンプ選びから始めました。
そしてそれを上手く使うには、設定が大事であると言うことで繰り返しテストを行い
最適な値を導き出しました。

そして出来上がったのがR-Zero。
R-Zeroはツマミの多さからイコライザなどにも注目が集まりますが、実は一番
拘ったのがヘッドアンプ。
ここで全てのサウンドが決まります。
結果としてR-Zeroは色づけの少ない、無味無臭、悪く言えばつまらない音に
仕上がりました。
結構この無味無臭、つまらない音と言う表現は私にとっては最大の褒め言葉と
受け止めています。
だからこそプレイヤーの個性が生きる、エフェクター乗りが良いシビアだけど
実は使いやすいと言う事に繋がってくると思います。

アクティブにはその良さがパッシブにもその良さがありますので、どっちが良い悪いでは無く
使う側の考えで自由に選んで欲しいですね。

さてR-Zeroのサウンドもしっかりと基板が出来たことで前々から構想していた
コンパクトなヘッドアンプの構想が出来上がりました。

R-Zeroは本当にに多機能で至れり尽くせり的なものを目指しましたが、今度は可能なかぎり
機能を排除してみようと。

その間に同様の製品ではepasと言う製品をリリースしました。
これは他社の製品でもぽつぽつ出ていた、調整機能の無いプリアンプ。
アンフィニではヘッドアンプと呼んでいます。
まあ簡単に言えばEQ等の調整機能があるものをプリアンプ、増幅機能に徹した
調整機能のないものをヘッドアンプと呼ぶようにしています。
実は始めはこういった調整の無いヘッドアンプは売れるのだろうかという不安もありました
しかし基本的なサウンドが良ければ、何もいらないのだという確信が持てた製品でもあります。
この製品はとてもリーズナブルで有りながら、内容の濃い製品に仕上がりました。
これはひとえに製造を担当してくれたPASの中本氏の手腕によるものです。

epasが発売されてから1年余り、予想以上に反響が有り驚く結果となりました。
何もいらない。
自信が付きました。

そしていよいよ暖めてきたものが形となりつつありました。
そうBatteryです。
これは元々いい音でワイヤレストランスミッターに信号を送りたい
と言うリクエストから出てきたものです。
最近ではハイインピーダンス対応のトランスミッターも出てきたのですが
やはり音痩せが気になっていたのです。
そこできちんとしたバッファリングをしたうえでトランスミッターに
送り込むと音が良いんですね。
先ずはそれをきちんと行うことを前提に機能を削減。
実際に音を弄るのはワイヤレスのレシーバーを経由したあとで、と言う事になるので
調整機能は必要ないと言う決断です。
その分可能な限りコンパクトに、バッテリー駆動を基本に長時間駆動が出来る
と言う事を第一に考えました。
そして一番の難関は9V駆動でR-Zeroのサウンドを出したい!
ここなんですね。
R-Zeroは±15V、合計30Vのパワーで動かしていますので、トルクになる
電流もたっぷりと流せます。
しかし9Vのバッテリーでは±4.5V合計で9V、昇厚をすれば高電圧に出来ますが
電池寿命が持ちません。
と言う事で工夫を加えて思い切ったことをしています。
感のいい方はこう言うとわかるかも、「今時この方法は無いだろう!」
しかし良いことは不変です。
大正解でした。
敢えてやってみる、これもチャレンジです。
その上でしかも2ch対応でデュアルピックアップが使えることと言う事が必要です。
電気食いますね〜

そして先ずは試作をと言う事でこれが出来ました。


端子からバッテリー迄を一体にまとめました。
同様の製品ではLRバッグスのMixProがありますね。
でもどうしてもそのサウンドには満足が出来ませんでした。
癖が付くんですね。
R-Zeroの優れたサウンドをバッテリー駆動で再現する、ここをポイントに
してモデファイを行いました。

そして実際の舞台での使用などを考慮してそぎ落とすところはそぎ落とし
加えるところは加えると言う事を行い洗練させていきました。

先ずはケースに格納して使い勝手などのチェックとサウンドのチェックを行いました。
それがこの個体



実戦テストも行い使い勝手のチェックも行いました。

サウンド面ではほぼ合格点、やはり大きさと重さ、スタイルが気になります。
市販のケースを使用する以上どうしてもこのぼってり感が出てしまいます。
スタイリッシュなケースもあるのですが、やはり好みに合いません。
と言う事でケースも出来るだけ軽く、スタイリッシュにということでやっぱり
板金から起こしてしまうと言う結果になってしまいました。

それがこのスタイル


R-Zeroで好評だったインプットゲインインジケーターを装備したことで
オペアンプへの信号のゲインを適切に調整が出来ます。
目分量では無く確実なゲイン管理を行う、R-Zeroの機能でもあります。
そしてダイレクトアウトに相当する各入力を独立して出力。
2つのワイヤレストランスミッターを使用する事で独立して信号を送ることが出来ます。
R-Zero使用のユーザーはその信号をヘッドアンプのあと(インサーションのリターン)に
入力することでワイヤレスでもR-Zeroの機能をフルに使うことも出来ます。
そのサウンドはやはりR-Zeroと言う事が言えます。

またBatteryは軽量でハイパワー、キッチリとセットアップされたピックアップであれば
殆ど弄る必要が無いという感覚を感じていただけるかと思います。

そしてもう一つアンフィニは徹底して機器を計測します。
これは理由があります。

音に関して言えば聴感、感覚が優先されますが、瞬間的には音が良いと感じても
特性が悪ければ安定しない、よく聴いてみると荒さがあるんですね。

現在までに日本で販売されているほぼ全ての製品を測定しました。
音が良いと言われている製品でも意外と特性が出ていない物も多くあります。
でも特性がきちんと出ていると全体の部分としてでは無くニュアンスの部分や
細かいところで違いが出てきます。
そしてきちんとそこを押さえると個体差の無いきちんとした製品が出来ます。

「音は特性じゃ無いんだよ」「音楽はそんなとこじゃ無い」と言われることもあります。
でも納得いかないんですね。
個人的には業務用オーディオ機器、ハイエンドオーディオにも数多く
かかわってきました。
計れる物はきちんと計る、目で見る、そして音を聴くその3つがあってこそ
と考えます。

だから高価な測定機器も導入しますし、波形を見るためにデジタルアナログの
機器を駆使して計測するんですね。
その上できちんと聴く。

現在はソフトウェアでのシミュレーションを始め基板のパーターンまでも
コンピューターであらかたこなせてしまえます。
でも最後は人の手、その人手を補助する物差しとしての測定機の使用
全てをバランスさせて出来たものがR-Zero Fidelity D.I. Batteryなのです。

もちろんepas、epas EQ+も徹底的に測定してデータを煮詰めました。
だからこそのサウンド。

自信を持ってお勧めする要因がここにあります。

サウンドメッセでは実際にこれらの製品を展示、試奏が出来ますので
是非アンフィニのブースにお立ち寄り確認してみてください。

翌16日には谷町のホテルライブアーテックスにて内覧会を行います。
サウンドメッセ会場では得られない静かな環境と、ご自身のギターを
お持ち頂ければそのギターを使用してのサウンドチェックも行って頂けます。

サウンドメッセ会場でも招待券をご用意しますので会場で興味を持たれた場合も
お気軽にお声の方をおかけください。

内覧会のあとには新進気鋭のアーティスト矢後憲太氏によるミニライブも開催予定です。
お弁当付きでライブチャージ¥3,000です。



こちらの会場でのお申し込みが出来ますのでお声の方おかけください。

それではサウンドメッセ会場でお会いいたしましょう。

いってきます!













 
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