Workレポ〜店主の言いたい放題〜

作業レポートをお届けします
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困ったもんだ!
後半、D.I.について少し加筆修正をいたしました!
ご指摘がありましたので少し加筆しました。

ここのところ、様々なプレイヤーさんからお話を聞いていると
とても残念なお話しが多い。

それは何か!

現在ライブの主体はどうしてもラインシステムによるラインサウンドが必須になっていますね。

そのライブを行う場所は様々、飲み屋さん的なところ、カフェ、ライブバー、ライブハウス
ホール等様々です。

しかしそれを運用するオペレータの力量というか知識に大きな違いがどうしても
ありますね。

この所多く訊かれるのが、接続とゲインについて。

一体何のこと? と思われていることと思います。
簡単に言うと適正な接続がされないまま使用して音が歪む悪いという結果に
繋がる事が多いと言うこと。

こんな事を書くと、そんな事は知っている、馬鹿にしているのか?と言われそうですが、
実際には多いので敢えて触れたいと思います。

これまでに何度か書いていることですが、MIC受けとLINE受けをちゃんと理解していない
事が往々にしてあります。

そしてそれをプレイヤー側の機器のせいにして、プリアンプの出力を下げて欲しいと言う事が
とっても多いんですね。
それではプリアンプの性能も発揮出来ません。

簡易的なPAシステムを使用している現場では、比較的安価なミキサー等を使用している事が
多いと思います。

ここで、良くネットなどで言われていることが弊害に繋がっていることが多いです。
それはXLRキャノン、バランス伝送は音が良い!

これを盲目的に信じてしまっていることが大半です。
決して間違いでは無いのですが、それが使用に合っていればのお話し。

上で述べた比較的安価なミキサー、ここに落とし穴があります。

もちろん全てがそうだとは言いません、が、多いのです。
ここで一つの例ですが次の写真を見て下さい。



そしてもう一つ



どこが違うでしょうか?

見た目、入力のジャックが1カ所にまとまっている?

いえいえ、違います。

上の写真はかなり一般的に普及しているベリンガーのXENNIXシリーズの入力
写真の上からXLRキャノン入力、TRS PHONE入力、ゲイントリムと並んでいます。

下の写真では XLRキャノン/TRS PHONE兼用入力、PADスイッチ、ハイパスフィルタは
省略します、そしてゲイントリム

基本的にはどのミキサーもほぼ共通なのですが、大きな違いはPADスイッチこのスイッチが
あるかないかで、接続形態が変わります。

上のベリンガーでは、XLRキャノンの端子の所にはMICと書かれています。
これはマイクロフォン専用の入力端子であることを表します。
そして下側のTRS PHONE端子にはLINEと書かれていますね。
ここはライン入力専用の端子となります。

この場合はライン入力専用の入力はTRSフォンの端子になりますので
例え出力側の機器がXLRキャノンの出力だったとしても、「必ず変換ケーブル」
を使用してTRSフォンの端子に接続をしないといけないと言う事になります。
XLRで出ているのだからXLRキャノンに接続するんじゃ無いの〜?

駄目なんです。

もう一度言います

XLRからTRSフォンに変換するケーブルを使用してTRSフォンの端子に接続をして下さい。

出力する側がTRSフォンに対応している場合はそのままTRSフォンのステレオシールドで
接続して下さい。
XLRと同じバランス接続で接続が出来ます。
アンバランスで問題が無いようであれば普通のTSフォンラインシールド接続しても
構いません。
この場合でもXLR-XLRの間違った接続よりも遙かに良いのです。

もう一つ下のヤマハのミキサーでは MIC/LINEと書かれていますのでこの端子は
マイクロフォン、ラインのどちらも、しかもXLRキャノンとTRSもどちらのコネクターでも
接続出来ます。

しかし、ベリンガーでもどちらも繋げるじゃ無いか? と考えますよね。

実は違うんです。

MICとLINEではまずゲイン差が20dB以上あります。
その為ベリンガーではMIC専用入力と定めているためこの端子の直後には、「必ずゲインバッファー」
すなわちアンプが入っていてMIC入力の段階でゲインが持ち上げられています。
そしてTRS PHONEの端子にはそのゲインバッファーが無いのです。

その為XLRの端子にプリアンプからの出力を入力してしまうと、本来十分なゲインで入力されている
信号をさらに持ち上げてしまうためミキサーの入力の段階で入力オーバーとなり音が歪むという結果になります。

それに対してYAMAHAのミキサーの例では入力は共通でどちらの入力も同じゲインバッファーに
繋がるのですが、その前に大きな入力を下げる抵抗「PADスイッチ」があることでどちらの入力にも
対応出来るようになっているんですね。

細かい事を言うと少し違う部分もあるのですが、今回は簡単に間違わないようにという趣旨でお話しを
進めます。

あとXLRキャノンとTRSフォンは違う物XLRの方が音が良いと言う方もまだまだ多くいらっしゃいます。
XLRキャノンとTRSフォンは形は違えども全く同じ信号を伝送する形式であると言うこと。

XLRキャノンの端子の信号は以下の通りです

3本のコネクタの信号は

XLR

1番=Ground
2番=HOT
3番=COLD

TRS

TIP=HOT 
RING=COLD
スリーブ=Ground

合わせると

1番=スリーブ=Ground
2番=TIP=HOT
3番=RING=COLD

となり全く同じ信号が流れます。
なのでXLRキャノンとTRS PHONEは XLR=TRSであって、XLR>TRSでは無いと言うことを
理解して欲しいところです。

そして信号の大きさに適した入力ジャックへの接続これが大切なんですが
何故かギタープリアンプなどの出力がMIC専用の入力に接続され、音が歪んでしまっている
と言う事が多く見られると言う事なんですね。

下のYAMAHAの場合はLINE入力を行う場合は必ずPADスイッチを入れてLINE入力に
対応させて使用するようにして下さい。

但し例外もあります。
ギター用プリアンプではどうしても出力が規程通り出ないものもあります。
そういったプリアンプではLINE入力では出力不足でミキサー側のゲイントリムを大きく
回さないと十分な音量が得られないという場合も有りそうするとどうしてもミキサーのアンプノイズ
が増加してしまいシャーというヒスノイズが出やすいと言う事があります。

そういった場合ではMIC入力、もしくはPADスイッチを切ってゲインバッファーを入れた方が良い場合も有ります。
これは実際に試してみないと駄目と言う事なんですね。
ただ原則はLIN入力と言う事を知っておいてください。

因みにアンフィニのR-Zeroではアンバランスでは-10dB,バランスでは+4dBの出力が確実に
得られますので、接続を守らないとまともな音が出ないのでご注意が必要です。

XLRだから音が良いと言う概念は忘れて出力に合わせて適正な接続を心がけて見て下さい。
劇的に音が良くなります。

あともう一つ「D.I. ダイレクトボックス」についての誤解、間違い
これもことあるごとに毎年触れているのですがなかなか浸透してくれません。

これもたまに言われることですが、D.I.を通すと音が良くなる、D.I.を使って
MIC入力すればOK!

ごめんなさい、これは全部嘘です。

まず  D.I.のお仕事

D.I.はダイレクト・インジェクション・ボックス アンバランスの信号をバランス信号に変換し
尚かつインピーダンスの変換を行う、いわゆる変換器の総称で有り、これを使ったから音が
良くなると言う事はありません。
もの凄くシンプルな仕事をするモノなんです

逆に変換による損失が出てしまいますので、問題が無ければ使わない方が音は良いと言えます。
又信号の大きさは基本的に変更しませんのでMIC入力に指すことも駄目です。

※これは外付け型のD.I.に限ったお話しで専用回路で構成したアンプやエフェクターのバランス
出力回路のお話しではありませんので誤解無きようお願いいたします。

ゲインの大きさについては上記と同じでただアンバランス信号がバランス信号に変換され
インピーダンスを下げるという役割を持つにすぎません。
※例外的に信号のゲインを調整する事が出来る物もありますが少ないので今回は省きます。

さてここでもの申すと言う方がいらっしゃるかもしれないので、ご注意が一つ。
多くの方がD.I.と思っている物でD.I.では無いものがあります。
名称から間違われがちなもの。

そうLRバッグスの「パラアコースティックD.I.」D.I.と名前が付いているのでD.I.と考えてしまいがちなのですが
あくまでもこの製品はD.I.機能付きの「ギタープリアンプ」であると言う事。

なぜここでこれを言うかというと、結構な割合でプリアンプを使用したあとにパラアコースティックD.I.を
D.I.として使用している事が多いんです。
パラアコースティックD.I.の設計上インプットゲイン(本体内部)の対応幅は4dBから-18dBと広く取られているので
使えないと言うことではありません。
これを理解して敢えて使うという場合は使用する事は勿論可能ですが
アンプ回路が増えれば増える程、音の鮮度は下がります。
もしD.I.として使用する場合は本体ケースを開けて内部のゲインコントロールでライン入力に適した
インプットゲインへの調整を行って使用するようにしてください。
詳しくは製品マニュアルにも詳しい記述があるのでご参照くださいね。
こうすればライン入力用のD.I.として使えなくありませんが、あくまでもD.I.機能付きの
プリアンプであることには変わりません。

実はこれを言うには理由があります。
詳しく言うと読んで貰えなくなる可能性がありますので簡単に
いつもしつこく行っているインピーダンス。
ライン出力では一般的に10KΩから100KΩ程度の低めのインピーダンスで出力されます。
それではバランス信号ラインのインピーダンス600Ωよりはかなり高いインピーダンスですが
パラアコースティックD.I.はあらゆるピックアップに対応する幅を持たせるために10MΩという
非常に高い入力インピーダンスに設定されています。

ただセオリー的にはロー出しハイ受けは問題無いと言われているので一見大丈夫に見えます。
しかしここまでインピーダンスの差が大きいと少なからず信号が影響されて変化してしまうんですね。

なので使えるけれども、ベストでは無いですよ! と言う事を知って使っていただければ
良いのでは無いかと言うことでこれも触れてみました。

またFBで少しご意見がありましたので、勘違いや誤解を避けるために少し追加事項を!
実はこちらでは触れなかった項目でファンタム電源に関する部分をFBの方で少し触れました。

「D.I.はファンタム電源で動作させるので問題無いはず。」
その通りです。

D.I.については様々な物があります。
PA屋さんやライブハウスの多くで使用されているD.I.はアクティブタイプの物が多いのですが
これらのD.I.ではミキサーから送られるファンタム電源を駆動電源として動作させる物が多くあります。
こういった機器ではファンタム電源を送ることで機器が動作しますので全く問題はありません。

スペースの都合でその辺をはしょってしまったので誤解されてしまったようです。

基本的にはそういったD.I.を使用する以外ではファンタム電源はオフにした方が良い場合も有ります。
例えばパッシブ型のD.I.の一部やバランス出力を備えたエフェクターやアンフィニオリジナルのR-Zero等は
エフェクターや機器の内部の電源からバランスアンプを動作させていますので外部からの逆流する電源はない方が
良いんです。

業務用機器の多くは機器内部で電源が完結していますのでファンタムを送る必要がありません。
もちろん保護としての回路は入っていて、ファンタム電源が来ているから即座に壊れるという事は
ありませんが、出力のコンデンサーなどにはやはり負荷がかかってしまいますので、かけなくて
済むのであればかけない方が良いです。

またゲインについてもD.I.によりますがPADスイッチを装備していたりゲイン調整機能を持っている物もあり
ライン信号をマイク信号まで下げてくれる機能を持っているものもあります。
しかしそれを活用出来ていないと言う事も多く見られます。

これも理解していて使う場合は全く問題ありませんが、分からないでやってしまうと、音に不満が出たときや
トラブルが起こったときに何が原因か分からず、そのままライブに突入してしまうと言う事になり
残念なことにもなり得ませんので、基本的な部分を知って上手く使って貰う参考になればと言う事が今回の
大きな主旨です。


あまり細かく書くとA410ページ以上になりそうなので、大まかな部分と言う事でこの辺で!

これからまたイベントのシーズンがやってきます。
いい音出していきましょう!

 
| 雑学編 | 12:01 | comments(1) | trackbacks(0) |
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| - | 2016/08/13 8:21 PM |









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