Workレポ〜店主の言いたい放題〜

作業レポートをお届けします
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ねじるとだめなんだお〜!

 今年も残すところ10日ほど。
クリスマスも間近と言う事で、パーティー、忘年会とギターを演奏する場もも多くなりました。

そうするとどうしても多くなるのが弦の交換!
今日は皆さん、興味がある弦のお話し。

ちょこちょことネットを徘徊していると弦についての話題がとても多く有ります。
その殆どの多くは弦の銘柄などを中心としたインプレッションが殆どです。

あのメーカーの弦が素晴らしい。
このメーカーの弦が好きだ、嫌いだ。
ギターとの相性。
弦の製造の技術面などなど、様々な事に触れていることがうかがえます。

今回はそういった表面的な物ではなく張り方のお話し。
張り方の手順などはい〜っぱいいろんな所で書かれているので、今回は
アンフィニ流、手前勝手な考えを書きたいと思います。

皆さん弦の銘柄などには言及して、そのサウンドを評価することが多いのですが
張り方については余り拘っている方がいないというか書かれていないことが
多いです。

実際お預かりするギターも結構な確率で弦の特性を残念な物にしていることも多いです。

また相談の多い悩みは綺麗に巻けない、緩んでいると言う物が筆頭です。

今回はそういった悩みの参考なればと思います。

先ずはアンフィニ流の巻き方をかいつまんで。


アンフィニで使用する弦は皆さんご存じのパッケージに入っていないストレート状態の
バルク弦です。

これはこだわりがあって「弦は捻れると早く死ぬ」と言う事を感じているためです。

同じ弦のパッケージに入っている弦とストレートの弦を比較すると、取れたての刺身と
冷凍物を解凍したぐらいの差が感じられます。
これは鮮烈です。

しかしここで張り方を間違えてしまうと実はそれほどの差が感じられなくなります。
それは何か。

実は弦の「捻れ」なんです。

弦を張る際には出来るだけ弦をねじらないように巻くだけ、それだけなんですが
実は意外とこれは気にされていないことでもあります。

アンフィニでは出来るだけ弦をねじらないように張ります。
今回は簡単に捻れを少なくする張り方を少しご紹介します。
もちろん知っている人は読み飛ばして下さいね。


それではアンフィニ流の手順を少しご紹介。


弦を張る際は出来るだけ緩みを無くすためブリッジのホールの角に当たる部分を軽く曲げ
フィッティングさせておくとチューニングの安定が早くなります。
またここ以外にボールエンドの根本を「くっ」と曲げる方も多いですが、アンフィニでは
曲げません。
実はこの部分とっても大事でブリッジピン圧をかけて弦を固定するために必要な部分です
ここ尾を曲げてブリ時ピンから逃がしてしまうとピンに圧がかからなくなり、ピン抜けや
ピンの振動によるノイズの原因になることがありますので、ピンに圧をかけてしっかりと
固定をするためアンフィニでは基本的に曲げません。


弦をホールに入れピンを取り付けたらここで一旦弦をしっかりと引っ張っておきます。
こうすることでピンとボールエンドをしっかりとかみ合わせ弦を張っている最中に起こる
ブリッジピンの浮き上がりが起こらなくなります。

弦を張っている最中にブリッジピンが浮き上がってくるのはこの部分が予めフィッティング
されていないからなんですね。
なのでここでしっかりとフィットさせておきましょう!


これもアンフィニ流。

弦をしっかりと伸ばし、均一にペグポストへまき付けを行う為予め長さを決めていきます。
弦をしっかりと伸ばしてピンと張った状態で長さを決めます。
写真ではペグポストの間隔を物差し代わりにして長さを決めます。
この場合はペグポスト1本分にします。


長さを決めたらここで弦をカットします。
予めカットしておくことで巻くときに弦の先端がじゃまにならず綺麗に巻きやすくなります。
注意※1


弦をカットしたらペグポストに通し5mm程度の長さを出して巻き上げを始めます。


半回転ほど巻き上げたら一旦手を止めしっかりと弦を折り曲げます。
ここでしっかりと折り曲げるのは出来るだけ元をぴっちりと巻き上げて緩み無くするためです。


この時に弦をしっかりと引っ張りながらテンションをかけて巻き上げていくようにしましょう。
最初の一巻きは飛び出した弦の上に巻きます。


さて、ここもアンフィニ流。
弦にテンションをかけるため人差し指とその他の指を使って弦を引っ張るのですが
写真のように人差し指で押さえながらその他の指は弦を引っ張り上げるようにします。
ここで大事なのが弦をナットに載せないと言う事。

ナットに弦を載せて巻き上げると弦の構造上スパイラルに巻かれている弦が
硬いナットの影響でわずかながら捻れてしまうことがあると考えています。
これはわずかかもしれませんが少しでも懸念があるならば出来るだけ触らせない
単純な考えですが効果は大と思っています


そして2巻き目は下をくぐらせます。
これは上の通した弦と下をくぐらせた弦で通した弦をはさみ緩み止めの効果を狙います。
そしてアンフィニではこの飛び出した弦は曲げません。
この状態でしっかりと弦が止まること、そして何よりも交換の際にめんどくさい
と言うのが理由です。


そしてそのまま巻き上げていきます。
ぎりぎりまで弦をナットには触らせないようにするのがアンフィニ流。


そして4弦まで巻き上げたら

今度は1弦に移ります。

なぜ1弦!・・・・・・ 理由があります。

ここで3弦を巻いてから2弦、1弦と巻いていくと、ペグポストの横に先に張った弦があります。
実はこの弦があると結構弦は巻きにくく緩みがちになることが多いんですね。

なのでじゃまになる要素を少なくするために1弦から巻いていくとペグポストはフリーな
状態なのでとても巻きやすくなります。


今回は6〜4弦まではペグポスト1本分の間隔で、1弦、2弦など細い弦はポスト2つ分で
巻いていきます。

これは弦の細さを考慮し巻き数を増やすことでナットからペグポストへの導入角度を
揃えてテンションのバランスを整える目的があります。

また弦を張るときのコツはテンションをかけながら巻く。
とにかくキッチリ引っ張りながら隙間無く巻き上げるというのが音をよくする
要素になります。

ここで一番やると音が悪くなる巻き方を一つご紹介。
これ結構やります。


弦を通すところまでは同じ・・・・


これがやってはいけないこと・・・・

弦を手でポストに巻き付ける行為

こうすると弦は確実に捻れてしまうんですね。
実はこの状態で張っても新しい弦はしっかりと鳴ってくれます。
しかしあっという間に弦がならなくなってしまうんですね。

これは弦の振動により捻れた心線と、外側の巻き弦が剥離してしまう事が原因と
考えています。
この剥離やずれが生じるとその弦はその瞬間に死んでしまいます。
もちろん音が曇るだけで音が鳴らないということではないので、これが弦の評価に
直結していると言う事も実は多いんですね。

昔と比べれば弦は安価になってきてはいますが出来るだけ長く美しいサウンドを鳴らして
欲しい物ですね。

弦そのもののポテンシャルをキッチリと引き出すため少し張り方にも工夫をしてみて
くださいね


今日はもう一つご質問が多い巻き方



もう一つの張り方のバリエーション
俗ににマーチン巻きと呼ばれる巻き方ですね

これも意外と綺麗に巻けている方が殆どいません。

大抵緩んでいることが多いです。


例ですが、こんな感じで届くことが多いです!

これもしっかりと弦にテンションをかけて巻いていないことが原因です。
決して難しくはありませんので挑戦してみてください。

コツは引っ張ること、1にも2にも引っ張ることです、はい。

始めは同じですが先は切らずにそのまま通しておきます。

弦を通したら片方の手で弦を固定しながらもう一方の手で弦をしっかりと引っ張りながら
折り曲げます。

しつこく言います。
「しっかりと引っ張りながら」折り曲げて半周巻き付けます。


はい、半周巻き上げたらここでも行きますよ〜

しっかりと引っ張りながら下をくぐらせた弦を上に折り曲げます。!


いいですか〜

しっかりと引っ張りながら上に折り曲げられましたか?

そしたら巻き上げる弦を引っ張りながら巻き上げていきます。
半回転ほど巻き上げたら、ここで・・・・


いいですか!

しつこいです。
しっかりと引っ張りながら折りが下駄部分の引っかかりの部分をしっかりと折り曲げます。

はあ、はあ・・・・・・

ここまで来ればもう安心。

最初の例と同じように弦を引っ張りながら巻き上げてください。

緩みのない巻き上げはチューニングの安定性も有り、とても良いサウンドが響きます。
たかが弦張り、されど弦張り。

フェチの人はこれ眺めて酒が飲めます。

大体理解していただけたのでは無いかと思います。

もちろん巻き方には様々な手順ややり方があり、この巻き方が正解と言う事では有りません
ので、ご自身のやりやすい巻き方で巻いていただいて構いません。

一つだけ共通して言えるのは弦はねじらない。
これにつきます。

弦の種類を替える前に捻れのない巻き方をしてみてください。
今使用している弦の印象がきっと変わります。

いい音を長持ちさせるちょっとした工夫です。

でも弦はこまめに換えてくださいね〜

と言う事でクリスマスパーティー、忘年会、いい音でたのしみませう!


※1. 弦を予めカットする場合では丸い心線を採用した弦は絶対にカットしないでください。
丸い心線を採用した弦例えばニュートーンストリングスなどはカットしたとたんに
心線と外側の巻き線が剥離してしまうため全く使い物にならなくなってしまうので
こういった弦を使用する際は、切らずに巻き上げて巻き上がった後にテンションが
かかった状態でカットするようにして下さい。


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